函館ストーリー「青い2CVと春のパン屋」
元町に、パンを買いに出かけた。
「天然酵母パン
tombolo(トンボロ)」は、大正十年に建てられた和洋折衷様式の建物で、函館市の伝統的建造物に指定されている。
元町の異国情緒に、静かに溶け込むような佇まいだ。
「ハード系パンならこの店!」と地元でも評判のパンは、
自家製の天然酵母と北海道産の小麦、塩、水だけで焼き上げた、素朴で力強い味わい。
焼きたてのカンパーニュに、熱いコーヒーとベーコンエッグ。
それが、僕らのランチメニューだった。
彼女の運転するシトロエン2CVは、大三坂を一生懸命登っていく。
『ルパン三世 カリオストロの城』──あの作品のおかげで、僕たちはこの車に出会った。
やがて、僕のクラリスが運転する青い2CVは、店の前に静かに停まった。
あとがき:記憶と季節の交差点にて
春の函館は、記憶の中で静かに息づいています。
この短い物語は、パン屋という小さな窓から、季節の光と心の揺らぎを覗いたものです。
坂道を登る車も、焼きたてのパンも、映画の記憶も──すべてが「今ではないどこか」と「今ここ」の間に浮かんでいるようでにしました。
読んでくださった方の中にも、そんな風景がそっと重なっていたら嬉しく思います。

僕のクラリス、やっぱ、
返信削除これだよねー!!
キュンポイント!!
ハード系のパンを、あえて
蒸して食べるのに最近ハマってるよー!モチモチ!うま!^^
ぴいなつちゃん
返信削除これは、実在するお店を実名で出させてもらっています!
カトリック元町教会から少し下がったところにあるお店。
以前は、ハード系のパンは苦手でしたが、試しに食べたら
メチャクチャ好きになりハマっています(^^ゞ