函館ストーリー「第二ボタンの春」
今年の春は早く、桜はゴールデンウィークを待たずに咲いた。 ある晴れた日、彼女は冬物のコートを風に干しながら、丁寧にブラッシングをかける。 お気に入りのカシミアのコートだ。 とりわけ気に入っているのは、第二ボタン。 他のボタンよりひと回り大きく、マーブル模様が浮かぶそのボタン。
彼のバーバリーのコートについていたものだった。
付き合い始めた日、二人は互いのコートの第二ボタンをそっと交換した。 それは、言葉よりも確かな約束のようだった。 彼女はそのボタンにそっとキスをして、部屋を出る。 待ち合わせの函館公園では、彼がひと足早く桜の木の下に立っていた。 春のため息のような優しい風が、花びらを静かに揺らしている。
その風は、彼女の髪にも、胸の奥にも、そっと触れていた。
春は、過ぎてゆくものの中に、確かな記憶を残していく。
ふたりのコートに宿る小さな約束は、今年も桜の風に揺れている。

第二ボタンを交換するなんて
返信削除粋だよねー^^
学生みたいでワクワクしそう!
春のため息のような優しい風
だなんて、、、さすがクリオネ先生ですね^^
ぴいなつちゃん
返信削除僕は第二ボタンをねだられた事はないけどな(;・∀・)
あれはどんな意味があるのだろう?
今回は、修正することなくそのまま再掲載しました!
出来としては、これで良いと思う。
《春のため息のような優しい風…》
コレ、初回にも同じところを褒められたのだが(^^ゞ
コメントもコピペか(笑)
アッハッハ^^
返信削除まさかまさか!
コメントをコピペするなんぞ
いたしやせん(笑)
よほど気に入っている、ということだね^^
人の琴線は、そんなにコロコロ変わらないというわけだぁね^^
第二ボタンは、心臓に一番近いから、らしいよ?
ぴいなつちゃん
返信削除もう一度、見直すと…
コメントが前回とほぼ同じなんだが(笑)
少し変えれば良かったか!
完璧すぎて直すところないわ(^^ゞ
《第二ボタンは、心臓に一番近いから、らしいよ?》
これ、「心臓」じゃなくて「心」じゃないのか?
相手の心をもらうというか頂くと言うか、気持ちを
合わせるとか交換するというか…
そういうことなんだろうか、何となく理解した( ´ ▽ ` )ノ